30歳から生活保護生活

躁うつ病の精神障害者の雑記。

措置入院の経験を少しだけ語ろう。(精神科強制入院のあり方について)

少しだけ措置入院したときのことを記録に留めておきたい(ちなみに医療保護入院の経験もある)。

anond.hatelabo.jp

 

 

この増田(投稿主)は診断や手帳は貰ってなかったけれど、以前の投稿を見る限り双極性障害の傾向があるのだと思う。*1

 

ところであまり知られていないことだが、「触法精神障碍者」の平均入院期間は普通の精神病患者より短いらしい。うるさかったりトラブルを起こしたりする患者は病院もめんどくさいから早く退院させてしまっているのだろう。 

この記述に関してだが、病気で強制的に入院させておいて論理的に矛盾点等を看護師もしくは医者について質問したりすると、まだ社会生活ができず治療が終わって無くても退院できる。

実例を出せば様々だが、閉鎖病棟じゃないが、薬物で実刑を受けて?閉鎖病棟に入院したが、酒を繰り返し病棟で飲んで、強制的に退院させられたやつもいた。

手間がかかりすぎる治療やトラブルを起こす人のは面倒は見ないってことだよ。そりゃそうだよね、お金にならないし。

トラブルというのが自傷他害の恐れと云うのものであれば、保護室に入れて縛り付ければいいのでお金になる。隔離病棟の中で更に隔離してしまうのだ。

 

こういう扱いやすい「オイシイ患者」を一生閉じ込めて入院費を稼ぐのが手口なのだ。

統合失調症は薬が上手くハマってバシッと治る人もいるが、そうでない人は長期入院させてもあまり改善が見られない場合が多い。ただいたずらに拘禁し続けている事で利益を上げているのである。

オイシイ患者は家族が凄く面会に来るか、全く来ないかで2極化してる気がする。家で引き取れないからお金を出して入れておけるだけ入院させるか、周りから見捨てられて生活保護のような人もいる。

 

「いっそ犯罪でも犯して捕まっていればよかった。そうしたら裁判で自分の主張を展開する機会もあったし、トイレに蓋があって自分で流せる独房(もしくは雑居房)に入れたし、手足を拘束される事も無かったのに。」

設計コンセプト:保護室の形が変わった |株式会社ゆう建築設計

 

精神科の保護室の場合、写真の通り便器にフタは無く外からしか水が流せない設計になっている。(拘置所でも留置所の保護室も変わらないが、もっと角がない設計になっていたりして、安全設計が上である)

水を詰まらせるからだという理由とからしいのだが、ある面では仕方がない。

 

一体いつになれば出してもらえるのかわからない状況で、「自分はおかしくない!」と怒れば「症状が悪化している」と見られるのだ。環境も最悪で人権どころの騒ぎではない。

日本の精神医療は人権蹂躙による金儲けが行われている上に犯罪抑止装置としても機能していないのだ。

精神保健福祉法なんて普通の人は知らないし、最初は自分の意に反して入院させられるため余計に状況は悪化する気がする。相手に従順でなければ決して退院できないのだ。

 

精神病床の入院患者数は過去15年間で減少傾向となっているが(約32.9万人→28.9万人)、精神病床数は過去15年間で約35.8万床→33.8万床(△約2万床)に減少。

*2

下図のように、他の先進諸国は軒並みベッド数の削減が進んでいるが日本はほぼ変わらないと言ってもいいだろう。*3

f:id:chekan:20190727142621p:plain

 

ベッド数も減らせないから、理由をつけて入院期間も平均して外国に比べて伸びる。

精神疾患の疑いが強い容疑者が起こした大きな事件(津久井やまゆり園や京アニ放火事件など)が続いているので、もっと議論されていかないといけないと思う。

身体障害を持っている方が国会議員になられたが、精神障害者のことはテレビではタブーとなりなかなか語られないのが問題だ。

 

精神病床の1年以上にわたる入院患者約19.3万人のうち,約13万人(約67%)が統合失調症患者であること,65歳以上の患者は約9.9万人(約51%)であること,さらに,在院期間1年以上の死亡退院者数は1.1万人であることが示されている(厚生労働省2014)。

https://www.osaka-med.ac.jp/research/nursing-magazine/tpv6n40000000p78-att/19.pdf

精神障害者は病院で死んでいけと考えるなら、この流れは変わらないし、国の予算を見ても改革を起こす気はないことは明らかである。だって障害者を地域社会で受け入れようぜ!って言ってる割には、5.5億とかしか出てないよ。*4

 

汚いものには蓋をするし、きれいな言葉だけ並べても変わらないよね。特に高齢な精神障害者は病院でなくなってほしいと思っている感じがしてならない。

 

思いが強く現場にいる人も大勢見たけれど、お金もないし疲弊して精神を病んでいったりする人もいるのでなんだかなぁという気がしている。

せっかくれいわ新選組から国会議員に2人も選出されたので、ぜひ国会で精神障害者の今後についても議論してほしい。

 

 

 

 

追記

元増田より

全体として読んだ感想は、入院の現場は少しマシになってきているのかもしれないと思った。

(ちなみに私の入院経験はここ5年以内ぐらいの話だ。)

 

自分が「いっそ罪を犯して刑務所に入ればマシだった」と感じるのはそこなんですよ。本人の状態に関係なく刑期の定めの無い不定期刑が、医者・家族の胸先三寸で無限に執行され続けるという。この恐怖は体感してみないと分からないかも知れません。

(しかも入院が長期に渡ると保護者の方が先に死亡しているケースが多く、受け入れ先消滅という終身刑が確定している人が多数いました。)

私も本当に恨んでいるのだが、どうなったら退院なのかほぼ説明をしようとしないし、いきなり自由を奪われたら誰だって抗うと思うよ。

ソーシャルワーカーもいるけれど、病院側に立っている感じがして頼りにならない。

強制入院の際には、弁護士などが患者に権利を告知したりして、人権を守らないとどうしようもない気がする。自分自身で審査請求とか行政訴訟とかするのは無理だよ。入院していて医師や看護師に対して情報量に格差ありすぎるし。

 

 

あと津久井やまゆり園の事件後、措置入院に関してかなり叩かれて、もしかすると今後は地域社会の設備や理解が整っていないから入院が長期化することを懸念している。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の概要

精神保健福祉法の改正案はなぜ、つまずいているか : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

 

リンク先を読んでもらえればわかると思うけどうまくいく気がしない。退院後の支援計画書とか機能していくのか本当に不明である。

 

 

アンサーを書いていた、現役の看護師が次のように述べているのは興味深い。*5

元増田が精神科病院での入院された経緯はわからないけど、元増田が納得いくような病棟での生活やインフォームドコンセントが行われなかったのだろうと感じます。  

中略

精神科病院に強制入院をさせることは人権を侵害する行為ですので、精神保健福祉法に則っての対応だと思います。通常は口頭と書面での説明があると思います。

行政への連絡先も記載があったかと思います。処遇に納得がいかないのであれば、処遇の改善のための請求を行うことも可能です。

すべてここだと思う。障害者にも様々な人がいて、入院時に自傷他害の恐れがあるとされると保護室に入れられ、運が悪いと縛り付けられる。

そして話は一方通行で終わっていき、こちらの主張は聞いてもらえない。時間がないし、いちいち聞いてられないんでしょう。

 

詳しくは述べませんが、いまや、超長期入院の方は精神科病院にとっては利益のあがらない患者です。 

少しだけ退院して保護機関?のようなところに入所して、また戻ってくるような患者がいるっていうのも問題だと思う。

 

 

 一方、外来患者数は2倍以上に増加しています。

これなんでだろう?って思うんだよね。 精神科医の増加率は少しおかしいんだよね。*6

医師総数は1996年の22.1万人から2010年の28.0万人と,16年間でおよそ1.3倍に増加しています。そのうち精神科医は,同じ期間に9千5百人から2010年の1万4千人と,およそ1.5倍に増加しており,各診療科の中でも医師数の増加率の大きい診療科になっています。

精神科医が訴訟リスク無くて、他科に比べて激務じゃなく、儲かるからじゃないのかなって思っている。医師が大量に患者を増やしているんじゃないのって?

 

 

社会にとって大きな転換点だと思うけど、精神障害者は社会から見放されてきたし、医師の数も増えたことによって全体としては大きな変化って見られないと思う。

そして身寄りのない?生活保護の方も現に多くが入院しているからだ。*7

生活保護の一つである医療扶助は生活保護費の半分を占め、うち医科の入院医療費が全体の55.7%(2013年)と大きく、医療扶助による入院患者は、1か月平均の42.9%が精神障害であり多数となっている。人数では7.1%入院患者に、医療扶助費全体の55%余が使われている。

 

社会的なアンサーは出されないし、医師数の増えた医療の現場からも変わる気がしない。 

 

 

chekan.hatenablog.com

 

こころを病んで精神科病院に入院していました。 (コミックエッセイ)
 

 

*1:

こうして自分はマイクロソフト本社に入った(波乱万丈編)

*2:

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000462293.pdf

*3:

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0625-6c.pdf

*4:精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業(地域生活支援促進事業) 平成30年度予算:515,642千円(平成29年度予算:192,893千円 ) ② 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築支援事業 平成30年度予算:39,405千円(平成29年度予算:37,500千円)

*5:

精神科病院の救急入院料加算病棟で働いている看護師です。 40歳で、働きな..

*6:

4. 患者数が増えている|公益社団法人 日本精神神経学会

*7:

日本の精神保健 - Wikipedia