メルカリのメルペイに見る、生活保護者の新たな迂回ルート

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私は現在生活保護を受給しているため、収入があった場合には福祉事務所に収入申告をしなければならない。

そんな中で本を断捨離する際に、メルカリで売ってしまった。

申告するのは面倒だと思いながらも義務であるため、来月に役所に行って申請をする。

さて以前メルカリ上で現金が出品されて問題になり、その後、禁止となった。現在では現金を含め犯罪に繋がりそうなものは禁止されている。*1

現金の他にも使用済みの下着等が出品されていたりして問題にもなったのだが、生活保護者のバッシングにもつながったのが次の記事だ。

nikkan-spa.jp

記事は生活保護を受けているシングルマザーが現金を購入。その他にも転売で月に7万円ほど稼いでいるというのだ。バレるのが嫌で銀行口座には出金せずに、お米や子供用品等に交換しているというものであった。

売上をポイントに変更しても有効期限があったため、消費しきれないポイントを現金に変えていたと思われる。

しかしその後メルカリは売上金の預かり期間を1年から90日に変更し、90日を過ぎたら自動的に振り込むというように制度を変えていた。*2 *3

この変更自体は資金移動法に関係するものであるといわれている。*4

メルペイの誕生

しかし今年に入ってメルカリがメルペイを発表した。

メルペイは「お支払い用銀行口座を登録」するか、「アプリでかんたん本人確認」をすることによって、*5「iD」が利用できるお店でメルカリの売上金を使って支払いができるのだ。

「iD」はDocomoが展開しているサービスであり、使えるお店はコンビニやファーストフード、イオンなどかなり多岐に渡っている。*6

以前のように売上金を銀行に振り込むこともなく、メルカリ内で現金や不要なものを買う必要性もなく、リアル店舗で欲しい物を購入することが可能になったのだ。

よって生活保護受給者がメルカリでの売上金をメルペイで様々な場所で使うことができるのだ。

メルカリでは売上について次のように述べている。*7

メルカリの売上は確定申告が必要ですか？
洋服や生活用品等の不要品を売却した収入は、所得税の課されない譲渡所得となるため基本的に課税されません。（1点30万円以上の貴金属、美術品等の売買による所得は所得税の課税対象となります）

また、所得税の課税対象となる譲渡所得が生じた場合には、所得税（国税）の確定申告が必要になることがあります。

給与所得がある方：20万円以上の利益（所得）が生じた場合
給与所得がない方：38万円以上の利益（所得）が生じた場合

従って、給与所得がない場合は38万円以下（月約3万円）であれば課税対象にはならず、税務署も調査することはないだろう。生活保護者は不労所得の場合は8,000円までしか控除されず、それ以上収入を得た場合は生活保護費を返還しなければならない。

福祉事務所は生活保護法第29条により銀行への一括照会を実施することはできるが、メルカリの売上金は調査権限外であるので調査は不可能である。

よってメルカリで得た不労所得（売上金）をメルペイで支払うことによって、生活保護を不正に受給することが可能なのだ。もし不正受給を防ぐのであればマイナンバーを導入して、すべて捕捉しなければ不可能である。

本当に一部の生活保護受給者であると思うが、本人に自覚がある場合は不正受給にあたり、悪質であれば生活保護法85条により三年以下の懲役又は百万円以下の罰金となる可能性があるので正直に申告するべきだ。

ちなみに不正受給については約2％あるとされるが、藤田孝典氏によると本当はもっと少ないと言われている。*8

私は生活保護受給者の不正受給よりも、職員による生活保護費の着服のほうが問題であると思っている。*9

生活保護受給者の方でわからないことがあれば、担当のケースワーカーに聞けばいいのですぐに相談しよう。

悲しいことにメルカリ以外にもライブ配信の投げ銭をアマゾンギフト券に交換したりして、福祉事務所に補足されない形で収入を得ているものもいるようだ。本当にやめてほしい。

私は福祉事務所に収入申告をしに行く予定だよ。

おわり

追記

メルカリでの売上はその他の収入になり、8000円を超えたら収入認定されるというケースワーカーがいる一方で、次のようなケースもある。*10